私はかく語らせていただきたい

マンガの感想や自身の備忘録をお届けします.

ささやかな幸せを願う: タツノコッソ著:社畜さんと家出少女

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お酒は心のお薬

毎日満員電車に揺られ、会社では仕事に追われ、客先では怒鳴られ、家に帰って寝るだけ。
だけど、そんな生活の中にも希望はある。だから、今日を精一杯生きる。

 

今日はそんなお話

 

 

初めて百合作品を取り扱うことになります。
なので、最初に言いましょう。
「この作品はいまのところ男は出てきていません。」

 

さて、この記事をご覧になられている方で、「自身は社畜だ」と思われている方は何人ぐらいおられるでしょうか。

……8割ぐらいですかね。

 

昨今、社会問題にも発展してる雇用問題はマンガの題材としても多く取り上げてられています。

社畜を題材とした作品といえば、
毎週日曜日更新の
 「いきのこれ!社畜ちゃん」

 

逆にホワイト企業の作品も(同じ角川から出版してるのが笑う。)

 

今回私が紹介する作品は、
この生きづらい世の中でも、お互いを支えあい生きていく作品
タツノコッソ著
社畜さんと家出少女」です。

 

社畜さんと家出少女 (1) (まんがタイムKRコミックス)

社畜さんと家出少女 (1) (まんがタイムKRコミックス)

 

 

登場人物

メインで登場するのは3人。基本この3名で進んでいくので、登場人物としては少なめ

(画像は下記URLからお借りしてます。タツノコッソ先生へ作品に関するインタビューを行っている記事ですのでこちらもぜひご覧ください。)
media.comicspace.jp

成瀬胡桃(なるせくるみ)…なるさん

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・アルコールに逃げる系社畜OL
・通勤に往復5時間かかるらしい

 

雪村つぐみ(ゆきむらつぐみ)…ゆきちゃん

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・わけあり女子高生
・今のところ何がすごいできるといった特技はない

ミユ

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・ゆきちゃんの同級生
・スポーツできる系人気者
・ゆきちゃんの事情をおそらく知っている。

 

ストーリー

とかくにこの世は生きづらい。会社で激務に追われるナルと、家での居場所をなくしたユキ『社畜さんと家出少女』のふたりは、都会の片隅で肩を寄せ合って暮らしている。

間違った関係かもしれない。けれど、大切な人と過ごすこの時間のあたたかさだけは嘘じゃない。

©コミスぺ特集記事

簡単に書かれた。。。

社畜OLと家出JKの二人暮らしを描いた4コマなのですが、

 

本作品の特徴は

題材として、社畜」と「家出」

というセンシティブなワードを「まんがタイムきらら」で取り上げていることです。
「ゆるふわ作品」が多い芳文社まんがタイムで取り上げていることに私は驚きを隠せませんでした。
イラストは上の画像の通り、かわいい絵。ストーリーも日常パートはふんわりしています。(よくあるきらら系)
ですが、きらら系では結構シビア。。。重めで複雑の関係です

お酒に逃げる社会人。
健康ランドに行くイベント

また、ミユの大会の応援や一緒に弁当を食べるシーンなど、女子高生と社会人に起きるイベントがバランスよく描かれています。

では、本題に語りましょう。
家出少女のゆきちゃんはなぜ家出をしたのでしょうか。
残念ながらこの1巻では語られていません。。。
ただただ、触れずに終わるのかなーと思っていたら、
1巻のラストに…!!!といったシーンがてんこ盛りです。
この作品、面白いきららによくありがち日常系作品なのかなと思い購入したら、
「さーっ」と血の気を引いて、冷たい豪雨を浴びたような読了感をおぼえています。

 

なかなか、日常パートとシリアスをここまでメリハリを強く色濃く印象付ける作品はここ最近きららでは見たことがありません。

これ、2巻ではストーリーとして進むのだろうか、エンディング的にはどうしてオチをつけるのでしょうか。どう考えても分かれるエンドしか浮かばない……
ここまで考える作品は久しぶりです。

 

・ストレス発散は酒!!!って方

・家出JKと実際に暮らしてるけど、いまだに接し方がわからない方

社畜

 

の皆様にぜひ!

seiga.nicovideo.jp

いろんなサイトで読めますのでいかがでしょうか!

 

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(管理人あとがき)
きららではめずらしく、重いテーマを背負った作品ですね.


インタビュー記事にもありましたが、当初はこのテーマでの連載を断られると思っていたそうです。

確かに、社会通念上としては正しくありませんし、

ただただ誘拐にならないのかなと正直に思いました。

ですが、この作品はきちんと担当編集者の方と二人三脚で犯罪を助長しないように注意し作りこんでいるそうです。

 

そしてあくまで!シリアスになりすぎないよう描かれています!

本当に面白い作品です。ぜひ!

 

 

さて、次は何の作品を紹介しましょうか……